著書

川井弘子の書籍は現在3冊が刊行・販売されています。
書籍の詳細はこちらのページをご覧ください。

うまく歌える『からだ』のつかいかた
~ソマティクスから導いた新声楽教本~

音楽書のベストセラー

2015年発刊
2023年現在10刷

うまく歌える『からだ』のつかいかた《実践編》
~ソマティクスから導いた新声楽指導の実際~

第2弾・実践編の誕生です!
職業的オペラ歌手からアマチュアまで、33のレッスン例28例は動画でご覧いただけます。

2018年発刊

《推薦 Testimonials》
世界に一つだけの人それぞれの声と身体…。そこから生み出されるその人ならではの音楽…。声楽を学ぶ全ての人の手がかりに満ち溢れた本が誕生しました。いつもあなたの傍にどうぞ! 一緒に歩んでくれる本の誕生です!
菅 英三子(東京藝術大学教授)

声楽家はからだのつくりやはたらきや、進化の過程について知る必要があるのではないでしょうか。本書は楽器としてのからだについて知るための良い入口となるでしょう。音楽からからだが失われた現代、本書はからだを取り戻すための第一歩にちがいありません。
工藤 和俊(東京大学准教授)

うまく歌える『からだ』のつかいかた 実践編  ~ソマティクスから導いた新声楽指導の実際~

歌う人のためのはじめての解剖学
~しなやかな発声のために~

《推薦 Testimonials》
本書は、声楽家によって歌う人のために書かれた、はじめてのそしてとても分かりやすい解剖学の本です。印象的な解剖図の数々も、声のために描かれたオリジナルのものです。
坂井 建雄(順天堂大学特任教授)

「著者の慧眼に脱帽である。・・・うまく教えられないと悩むとき、本書は力になるであろう」
雑誌  『月刊スポーツ・メディスン229』(2021年4月号)への投稿記事より
渡會 公治(帝京科学大学特任教授・スポーツ整形外科医)
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2021年発刊

受講生の声

川井弘子のレッスンや講座を受講した方の感想をご紹介します。
レッスンの内容はこちらのページをご覧ください。

グループレッスンは驚きの連続。総合的に自分自身に結びつけられる。

 銀座ヤマハで、たまたま手にした新声学教本『うまく歌える「からだ」のつかいかた』。直感で、捜し求めていた本に出会った気持ちがしました。2018年11月に初めてグループレッスンを受講。その後は個人レッスンと講座にも出席。

 

 その中でも特にグループレッスンは興味深く、驚きの連続でした。なぜなら、先生の受講者に対する助言が歌う際に明らかに表面的に現れていることではなく(例えば、音が下がっているや発音が不明瞭といったことではなく)、その時にその人に必要な、あるいはそのことが起こっている原因となる「身体の内部で起こっていること」を説明されるからです。さらに、演奏家としての精神面について話されることも、私の心をほぐしました。
 コロナ禍以来、現在も自宅から定期的にオンラインレッスンを受講しています。画面の向こうに先生が居ても、まるで隣にいて私のことを観察してくれているような細やかな指導で、毎回、新しい気づきがあります。私の身体と気持ちの両方を見抜き、歌うことを邪魔しているものが何かという指摘。その時の状態に沿った新鮮かつ鋭い言葉がけ。それにより、私はより冷静になって本来の自然なよい状態を再発見できるかのようで、次なるステップへとつながるのです。
 東京とロンドンで、学生時代から声楽、発声、発語、語学、伴奏、アレクサンダーテクニークなどのレッスンを数多く受けてきましたが、今から思うと、これら全てを総合的に自分自身に結びつけるものが必要だったようです。川井先生はご存じないはずの私の過去のレッスン記憶が、私の次の学びへの助けになるようにレッスンしてくださる先生は、川井先生よりほかにいないと思っていますし、オンラインレッスンでは録画と先生が書いたレッスンメモをその日のうちに送信してくださるのがとてもよいです。
村井香子, ソプラノ歌手, 武蔵野音大卒, 英・トリニティー音楽院&ギルドホール音楽院修了

「助けて~」という気持ちで受講。15年が経過する。

 出産のあと10年間歌うことを休止して再開すると、歌声はキーキー、ヒーヒー、息も続かない!「もう歌うことを諦めるしかないのか(涙)」と思いました。友人からの紹介でレッスンに通いはじめましたが、「もっと口を開けて〜」「もっとお腹で支えて〜」「もっとお腹を使って〜」と注意を受けるものの、口を開けると声が変になる、「支える」ってどうすればよかったんだっけ?お腹に力を入れるって?と混乱するばかりで、身体中をああでもないこうでもないと、形作ったり固めることばかりしていました。

 そんな時ネットの検索で、偶然、川井先生のボディ・マッピング講座「音楽家なら誰でも知っておきたい『からだ』のこと」が横浜で行われるという記事に辿り着き、「助けて〜」という気持ちで受講しました。講座の中で一人一人が歌う時間があったのですが、その時「そんなに大きな口を開けなくて大丈夫。そのせいで声が引っ込んでモアモアしている」と注意され、「えっ?!」と目が点になりましたが、小さめの口の方が歌いやすくなったのを覚えています。
  その後、毎月個人レッスンでご指導いただいていますが、コロナ禍になりレッスンは中止。最初の頃は本当にどうしよう!という気持ちでした。「今、できることをしましょう」という先生の前向きな言葉に支えられ、苦手なパソコンでZoom講座、Zoom個人レッスンを受け始めたところ、この二本立てにより、そして後から録画を見られることで、歌や身体に対して新たな気づきも起こり、さらに先に進んでいるように思います。
 そしてもう一つ、「川井先生のご指導は私に合っている」と今まで思っていたのですが、実はそうではなく、私に合った指導方法にしてくださっていたのでしょう。多分一人一人、アプローチの仕方は少しちがっているのかな?と最近感じています。驚くことに、最初のボデイ・マッピング講座での出会いから、さらに3冊のご著書も拝読し、個人レッスン受講暦はすでに15年が経過しようとしています。

橋本礼子, Soprano, 東京音大卒・ウィーン国立音楽大学声楽科に留学_演奏活動をしながら自宅にて声楽・ピアノ教師

気持ちも穏やかになる。サポートするのが指導者の役割であるのを実感。

 初めて受講したのは、2017年2月コーラスカンパニー主催のボデイ・マッピング講座「合唱する人ならだれでも知っておきたい『からだ』のこと」だった。生徒に対し歌を教えるためのアプローチを学びたいと思うと同時に、自らの発声についても悩んでいたため、何かヒントをもらえたらという思いであった。今まで声をよくしたいということだけを考えていたが、講座を通して、『からだ』全体を知ることでより自由に歌えることを学んだ。特に後半のレッスンコーナーでは、川井先生の助言によりどの受講生も声が出しやすくなっていたことに大変驚き、「なぜよくなるのか?」ということに興味を抱き、その日の晩に川井先生にメールをし、個人レッスンを受講することとなった。
 日常的に多忙かつ授業で声を酷使することも多く、声がよく嗄れていたが、レッスンでは歌っているうちにいつの間にか声が出しやすくなり、レッスン後は声が軽くなるとともに気持ちも自然と穏やかになるという不思議な体験であった。レッスンの回数を重ねるごとにその意味がだんだんとわかってきた。今まで受けてきた歌の指導では「○○のようにしなさい」等と指示を受け、その通りに再現することが練習だと思わされてきたが、自分の声でのびのびと歌えることをサポートするのが指導者の役割であることを実感させられた。
 川井先生のレッスンを通して、自らの声が出しやすくなり、歌を歌うことがより楽しいと思えるようになった。中学生や高校生にとって音楽の授業で歌うのが「楽しい」と感じることは、なかなか難しいことである。日々のレッスンを通して「楽しく」歌えるための秘訣を教えていただいている。
 コロナ禍となり、毎週30分のオンラインレッスンを継続して受講している。授業で声をたくさん使っても嗄れることはなくなり、歌を練習をすることで、疲れた状態でも自らの声の調子を取り戻せるようになってきた。教員として多忙な中ではあるが、自らが声楽家として歌う活動を続け、その経験を勤務校の生徒たちにも還元していきたい。
古川裕介, Tenor, 大阪教育大卒, 演奏活動を行う大阪府にある中高一貫校音楽教諭

知らないうちに高音がスムーズに出るように

 合唱仲間から「今、一番感銘を受けている歌い手さん!」と、弘子先生の京都バロックザールでのリサイタルのチラシを受け取ったのは今から7年前のこと。その演奏会で、弘子先生はしなやかに華やかに、また曲によっては切なく歌っていらっしゃいました。その後、ホームページでレッスン情報を入手、大阪での個人レッスンを申し込みました。私は40代後半から地域のコーラスに所属して約10年、現状に特に不満はなかったものの、自分の次なる可能性を探りたいと思っていました。

 初レッスンではいくつかの発声練習を教えていただき、そのあとすぐにグループレッスンの受講をはじめました。毎回、愛好家5名ほどが一人一人歌い、それをレッスンしていく形での90分。皆がまさにbefore-after別人のように変わり、それを聞くだけでも大変勉強になりました。Aさんへのアドバイスは必ずしもBさんには効果なく、Cさんには悪影響になると指摘されることも!! 後ろ向きに歩きながら歌ったり、体のことが声に歌に連動する様子も明らかにわかりました。
 視線がウロウロする自分、歌おうと意気込みすぎる自分、「(まず、ふつうに)喋るように」と、最初のころ毎回のように注意を受けました。そういえば、子どもの頃にあったあがり症、もうとっくに克服したはずなのに、先生のレッスンでは具体的にどこをどうするかということよりも、なんだか昔の自分が抱えていたことがタンスの奥底から引き出され解決されていくようで、不思議でした。一生懸命やることでかえって変な癖がついていると気づいた私は、今まで注意していたことを「しないで」歌おうと心掛けました。すると自分の声が、体の骨の髄まで響いている今までなかった感じも体験しました。
 2019年、コーラスカンパニー主催の「混声合唱《ふるさとの四季》を歌おう!(3回完結)」という講座に参加しました。いつも参加しているコーラスとは異なり一人一人よく歌える方が多かったのですが、それでも先生の一声で魔法がかかったように一層素晴らしい歌声と合唱になっていき、自分もとても気持ちよく歌えました。
 2020年からはコロナの影響で大阪でのグループレッスンが開催されなくなりましたが、オンラインでの講座や定期個人レッスン(毎回30分、月3回)を受講。英語やイタリア語での詩の朗読の機会もでき、日本語以外の言語を発することが、舌や軟口蓋などの口の中の硬さをときほぐし、歌声にもよい影響を与えたようです。また、「好きな曲は?」と先生に言われて、童謡や日本歌曲を季節に合わせて歌っています。「子どもの頃に歌謡曲を楽しんでいたのなら、その延長、その感覚で歌えばよい」とのご指摘も、私の歌う気持ちを強くしてくれました。だからうれしくって、10代の頃によく歌っていた懐かしのメロディも口にするこの頃、気がつけば、知らないうちに「からたちの花」の高音がとてもスムーズに出るようになっていました。どの練習がどのように効果があったのか、単に7年という歳月の結果なのか自分ではよくわからないのですが、以前にも増して今が充実しています。

新治晴美, 音楽愛好家, 立命館大卒, 旅行雑誌や観光冊子の取材・編集に携わるフリーのライター