ピアニストの腕・手・指の故障の典型的なものには、極度の肩こりや上腕部・下腕部の痛みと共に、腱鞘炎・ばね指・手根幹症候群、あるいはガングリオンができることなどがあげられるでしょう。

私は、練習方法を見直す中で、これらの症状を軽減できると考えています。

但し、できるだけ専門医と連携をとりながら、お医者様の診察が必要な場合は、私は帝京大学付属大学病院・整形外科の渡會公治Watarai Kouji先生をご紹介しています。

東大で体育の先生もされていた渡會先生はロサンゼルス・オリンピックの時のドクターでもあり、スポーツ医学がご専門です。脳神経外科ではなく、スポーツ整形外科がご専門ですが、音楽家の疾患にも興味をお持ちで研究されているし、丁寧に診察してくださいます。また、「痛くないように動かしながら治療する」ことを推奨しておられるので、医学から教育へスムーズにつながります。

もちろん、休むことが必要な時は休みましょう!しかし、ただ休んで回復するのを待つだけではなく、ピアノを弾きながら、「からだの使い方」を見直しましょう!
からだが痛いのは、指が動きにくいのは、私は自分を見直し、次に進むよいチャンスだと考えています。無理をしないで。でも、何かを変える時です!

ほとんどの場合には、「ボデイ・マッピング」が大きな助けとなるでしょう。それらの症状は、単なる「使いすぎ症候群」(Overuse)でも、原因不明でもないのです。原因を明確にして、それを取り除けばいいのです。前に進めます、ほんの少しだけ勇気を持って!

以下の研究紀要は、私が大学で非常勤講師をしていた時、ピアノの先生から相談を受け、レッスンしたことを書いたものです。彼女は弾き続ける中で、腱鞘炎を改善させていきました。

≪研究紀要≫
ピアノ奏法における「ボデイ・マップ」の有効性の研究
~腱鞘炎の回復とショパン「前奏曲」演奏~(PDF)